やまびこ停車場

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特急・急行トレインマーク図鑑 鼠入昌史・松原一己著

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題名 特急・急行トレインマーク図鑑
著者 鼠入昌史・松原一己
発行所 双葉社
発行日 2015年8月23日
ISBN978-4-575-30931-7

 

 列車の最前面・最後尾に掲げられる絵入りの愛称表示。ヘッドマークと言ったりイラストマークと言ったりもするが、ここでは本書に倣ってトレインマークと呼ぶことにする。

 私が鉄道を好きになったのは、このトレインマークの存在が大きかったように思える。

 国鉄特急を「赤い電車」(485系ほか)、「青い電車」(583系)、「赤い機関車」(EF81ほか)、「青い機関車」(EF65ほか)の4種類しか判別の出来なかった幼い頃、容易に見分けのつくトレインマークは私に様々な列車があることを教えてくれた。

 トレインマークが大きく写った鉄道写真を見つけるととても喜んだものだった。逆に特急列車が、トレインマーク登場以前の、ひらがなとローマ字併記の愛称表記だったりすると酷くがっかりした事もよく覚えている。今思うと本当に好きだったのだろう。個性豊かな筈の私鉄車両には目もくれず、トレインマークの写っている国鉄特急を飽きることなく眺めていたのだから。

 この本の良いところは、そんな大好きだったトレインマークが「大きく」掲載されていること。「大きく」である。この点は強調しておきたい。大概は列車写真にトレインマークが写っている程度のもので、トレインマークだけ切り出すと本当に小さな大きさでしかないのだ。

 A5判サイズの本書の表紙に並んでいるトレインマークはこれでもかなり大きく載せられているほうだと思う。本文をめくると更に大きいイラストで詳細が良く分かる。

 特急「みちのく」号。名産であるこけしのイラストだと言う事は初めて見たときにすぐに分かったが、目鼻口まできちんと描かれているとは・・・、これは本書の大きなイラスト見て初めて知った事実。縮小するとディテールが潰れてそこまで分からなかったのだ(我がふるさと岩手には「キナキナ」と呼ばれる顔の描かれてないこけしがあり、そういうものだと思っていたという背景もある)。

 あとがきに、「全列車をすべて取り上げるのは難しく」とあり、その気持ちは理解しつつも、やっぱり読み手は欲張りなもので、あれ載せろこれも載せろと、ついつい思ってしまう。

 具体的には臨時寝台特急「エルム」とか、そういえば「ジョイフルトレイン」と呼ばれた車両にはトレインマークが結構あったよな、とか思い出したり、快速列車のイラストも一隅に載せているのならいっそのこと網羅してくれ、仙石線の快速「うみかぜ」をリクエスト!・・・などなど。

 買う直前まで気づかなかったが、本書は格安!今時「¥648+税」の書籍なんてそうそう無いだろう。個人的には、今の3倍いや4倍の販価だって良いが、代わりにイラストを増やした改訂増補版を切に希望する。本当に欲しいので、いずれ直接申し入れよう。少々愚痴っぽいことを書いてしまったが、待望の一冊が出たと喜んだ事はきちんと表明しておきたい。

 

2016/05/25投稿
2022/03/20更新