やまびこ停車場

ただいま、過去に投稿した記事の一部を非公開にしております。

「ひつ まぶし」

初めて的名古屋観光記-その5


思い出したので書いておこう。
名古屋名物「ひつまぶし」のこと。

私が名古屋は(とりあえず)初めてだったもんだから、「今晩は名古屋名物なんか
どうですか」と勧められ、ホテルのフロントでガイドマップをもらったのがきっかけ。

名物はいろいろあったけど、殆ど名物だとは知らないものばかり。
カレーうどん」が名古屋名物だとあったけどそうなの?本当??

それはさておき、ひつまぶしの店も掲載。
ホテル近くにあったというのもあって、そこに行くことにした。

お品書きをよくよく見ると「櫃まぶし」と書いてある。なるほど、そういうことか。
ずっと勘違いしていた。

かつおぶし」と同じ語呂だとばかり思っていたから「『ひつま』って何だ?」と
ず~っと不思議に思っていたのだけど(笑)、「おひつ」に入っているご飯にうなぎを
「まぶし」てあるから「ひつまぶし」。ようやく納得。
(ちなみに語源については別の説もあり)

さて、おひつのご飯をよそうか、と思ったときに

「あ、お茶漬け用のお茶持ってきますね」

もしかして食べ方があるの?
茶碗に盛られるものを「どうやって食べるんですか?」と聞くのは
常識を疑われそうでとても恥ずかしかったのだが(笑)
聞くとちゃんと食べ方はあったのだ。

曰く、

「はじめはそのまま食べてください」
「2杯目は薬味を入れてください」
「3杯目はお茶漬けにしてください」

だそうな。

後日知ったのだけど、4杯目というのもあるらしく、
それは「好きなように食べる」ものらしい。

早速言われるがままに食す。
薬味は刻んだ葱だったけど、うなぎに葱なんて私は聞いたことも無くて
戸惑ったのだけど、思いがけず葱がピッタリと合っていてこれまた驚き!

私の中では考えられなかったが、きっと老舗ならではの技なのだろう。
とにもかくにも美味しくご馳走様でした、なのである。

帰る頃になったら、いつの間にか廊下にズラリと人が並んでいて驚いた。
私が入店したのは6時頃だったから、待たずに入れたのは奇跡だったと思う。
旅行ガイドブックを手にしている人もいて、相当有名らしい。

それもその筈、「ひつまぶし発祥の店」と言われるくらいの老舗だったのだから・・・。

そんなことはまだ知る由も無かったのだけど、店内は一昔前の時代の雰囲気が漂っていて
かすかに見たことのある懐かしい雰囲気。年月のたった(と思われる)店舗。
使い込まれた机と座布団。狭いながらも庭あって池があって鯉がいて、
いま流行りの感じではない「和」の空間が広がっていた。

人も、(エプロンではなく)割烹着を着ていたし、レジの前で勘定専門の人が番をしていたし、
なんかそういうのを見ていると心が落ち着く、と言うとちょっと語弊があるかな。
「あ~、ここは日本なんだ」という何ともいえない安堵感のほうだろうか。


機会があるならもう一度覗いてみたい。


続く