やまびこ停車場

ただいま、過去に投稿した記事の一部を非公開にしております。

車内にて

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2008年2月  急行「銀河」車内(オハネ25 251)


大阪旅行記その18


「・・・まもなく大船に到着です」
車内アナウンスで目覚めたような気がする。まだ6時前だった。

眠い目をこすり、着替えて下車の準備をする。
まだ到着までには少し時間があったから、通路備え付けの
椅子に座って外の景色をしばし眺めていた。

別に、何をするでもなくただボーっと。

朝焼けを浴びた、線路沿いの建物が移り変わっていくのを
ただただ見続けていた。
まだ早朝で、人影も車もなく、コンクリートの建物の間を
ずーっと走り続けていく。



そういえば、鉄道が好きになったのは寝台がきっかけだった。

もう20年以上前の話だから、記憶があいまいなのだが、
多分3月で、にも関わらず外は大雪の夜の日だと記憶している。
父に連れられ、人気のない盛岡駅から青い列車に乗って上京したときだった。

そのときも、朝早く目覚めて、到着までまだ時間があったから、
備え付けの椅子に座って、車窓を眺めていたのを覚えている。

山も林も、田んぼも畑も、とにかく緑というものが見当たらなくて
目に入ってくるのは、とにかく雑居ビルだらけで、信じ難い景色を
目の当たりにしていた。

なにより違和感を感じたのは、盛岡を出るときにはあんなにたくさん
あった雪が一晩経ったら、ちーっとも見当たらなくて、(そりゃそう
だろう(笑))、幼い私は、それでカルチャーショックを受けたっけ。

上野に到着後、下車してホームを歩きながら、ふっと後ろを振り向いたら
先頭だけ赤い色で(牽引している機関車は赤色だった)、そこに「ゆうづる」と
読めるものがあったから、「ゆうづる」に乗ったんだと、そこで初めて知った。



・・・と、そんな遥か昔を思い出しながら、今「銀河」に乗って同じような
車窓を眺めている。

「そういえば、あの頃も同じようなことをしていたなぁ・・・」

なんか、懐かしかった。
楽しいでも、悲しいでも、嬉しいでも、寂しいでもなく、何とも言えない
気持ちでいながら、車窓を眺めていた。

そして、終点東京駅に到着。せっかくなので、車両回送まで見てから帰ることにした。


続く