2007年11月 中央本線 鳥沢-猿橋 新桂川橋梁を渡るかいじ号
やっと最終回!
地図を見れば場所は分かる。作例を見ればどんな写真が撮れるかが分かる。
しかしどんなとこかは行って見ないと分からない。
新桂川橋梁を渡る列車が撮れるこの撮影地。場所は山を駆け上がる坂道からだった。
坂道は線路に対して直角に走っていて、坂を上がれば線路から遠くなるが目線で列車が撮れる。
一方、坂を下れば線路に近づくが見上げるように列車を撮ることとなる。
鉄骨以外、列車を遮る障害物は何も無い。人通りも少なく、伸び伸びと写真が撮れるのだ。
おまけに目線でいけたり、仰ぎ見たりとアングルも自由が利く。
列車写真の撮影地探しを何度かしたけど、ここはとても素晴らしかった。撮影に限った
事ではないが、眼前が広々としているのがなんとも良い。
おぉ、早速列車が来た。早速パチリと一枚撮る。
そして、次の列車を待っていると何やら後ろからブイーンと軽トラが。
「どーもこんにちはー!」
「はぁ、こんにちは」
「○○さんですかー?」
「は!?いえ、違いますけど・・・」
「あぁ、そうなんですかー。いや、列車撮ってるから○○さんかと思って」
どうやら人違いだったらしい。
ココは地元の人も知っている(もちろん鉄チャンは知っている)有名撮影地のようである。
そして私が鉄チャンだと知るとまたも話を振られる。
「ところで、新しい鉄道博物館には行ったんですか?」
「(堂々と!)はい、行きました!」
行って良かった鉄道博物館!
混雑は目に見えていたので、人ごみが大っ嫌いな私はほとぼりがさめるまで行かないで
おこうとも思ったのだが、やっぱり初日に行ってしまったのだった。
ま、この辺はいずれ機会があったら・・・。
そんな訳で軽トラの好々爺としばし歓談をしたのでありました。
お目当ての特急も撮ったことだし、1時間居た後ようやく帰ることにした。
中央道は必ず渋滞だろうから一般道でスイーと抜けて帰ろう、と思ったら、
国道20号も相模湖付近からノロノロだったり止まったり・・・。
「なんだ、下道もおんなじ感じだったのネ・・・」
まぁ、いいや。急ぐことは無いのだからのんびり行こう。最初は鷹揚だった。
しかし、高尾に入ってもまだ流れが悪い。このまま八王子市街に行ったら・・・。
空いてそうな道を曲がり迂回する。しかしこちらも流れが悪い。
行くとこ行くとこ渋滞ばかり!
「ムキー!ウキャー!ウォー!!」
だんだんイラついてきた。
「だからこっち(首都圏)で運転するのはイヤなんだ!
どうしてどいつもこいつも車を使いたがるんだ!ったく・・・」
自分も車を使ってるくせに混雑を他人のせいにする、何て自己チューな奴。
そして懲りない想いをまた抱くのだった。「車には乗るまい」と。
そんなこんなで、あちこちで渋滞に巻き込まれながら4時間もかかり、
やっとの思いで帰宅した時には、もう空が真っ暗になっていた。
「うおー、着いたー!やっと辿り着いたよぉー・・・」
日帰り旅行のはずなのに、3日間くらい家を空けていたような感じの帰宅だった。
旅行の充足感って、この「やっと着いたー」なんだと思う。近場でもそんな体験が
得られるのならばこれ幸い、なのである。
そういうわけで、幸いな旅行は無事に終了したのでした。
完