やまびこ停車場

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スズメバチの真実 最強のハチとの共生をめざして 中村雅雄著

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題名 スズメバチの真実 最強のハチとの共生をめざして
著者 中村雅雄
発行所 八坂書房
発行日 2018年7月25日
ISBN978-4-89694-251-4

 

 本の感想を書こうと思ったのだが、結局は本を読んだ理由しか書けなかった。その点は予めご承知おき願いたい。

 

 さて・・・6月下旬、実家に帰省する私は雨マークの天気予報に憂鬱だった。庭の手入れをするというのに、これでは何も出来ない・・・。本音は帰りたくなかったが、結局重い腰を上げて帰ることにした。

 

 理由はもう一つあった。空き家の敷地にハチの巣が作られていないかを確認することだ。6月下旬ならば、たとえ巣を作られてしまっても自力で駆除できる。これが8月だとそうはいかない。事実、何年か前のお盆休みには、厄介な場所にスズメバチの巣が作られていて、駆除業者に泣きつく羽目になったのだから。

 

 そのときは、もう一度新幹線で盛岡まで往復できる位の額を支払ったな。イタかった。加えてお盆は駆除業者も休業のところが多く、依頼するだけでも一苦労する。間違いなく、巣が巨大になる前の6月に帰省して自分で処理をしたほうが費用の面でも労力の面でも楽でなる。ついでに言えばメンタル面においても。

 

 幸か不幸か禍か、帰省したのは正解だった。今年も巣を作られたのか!!・・・と嘆く一方で、帰省が無駄ではなかったことに喜びを感じる自分がいたのだが、それにしても、この徳利を逆さにしたようなものは一体何だ!?

 表面に見えるマーブル模様から、スズメバチに違いないと直感。後で調べると、これはコガタスズメバチという種類のようで、確かに外観はスズメバチそのものだが体は一回り小さく見えた。この独特の巣の形は営巣の初期段階のもので、これが発達すると、我々の見慣れたボール型の巣に変わっていくらしい。

 

 早速駆除に取り掛かるが、最近の殺虫剤の威力には恐れ入る。何が凄いかって、噴射の勢いは半端ではないし(テレビの演出でよく使われるジェットスモークを思い出す)、殺虫剤の霧がハチをかすっただけでハチは真っ逆さまに落ちていく。

 

 反撃を許すことも無く、安全に巣を撤去することは出来たのだが・・・、ここで徳利を撤去する直前に話を戻そう。殺虫剤を吹きかけてから暫く時間を置く。戻りバチがいないか確かめるためだったが、これ以上待っても戻ってこないだろうと判断し、最後にダメ押しでもう一度殺虫剤を吹きかけてみたところ、

 

「ん、今なんか飛んだよな。それも巣の脇から。」

 

 殺虫剤の忌避効果で巣に入りたくても入れないヤツらが群れているのか?そう思って、少し離れたところの塀の上に立って慎重に様子をうかがうと、何やらピンポン玉大の白い物体が。

 

 驚いた。アシナガバチの巣だった。徳利から1m程度の距離のところにしっかりと営巣していた。ハチの巣が隣り合うなんて無いと思い込んでいたから、全く不意を突かれた。ハチ同士で喧嘩をしないのだろうかと不思議に思いつつ、アシナガバチの巣も一緒に撤去する。

 

 まさかの展開ににわかに不安を覚えた私は、屋根に上って他に巣が無いかどうかをくまなく探した。あると一番厄介なのはベランダの真下である。気づかずにベランダに上ったら足音に驚いたハチが下から湧いてきて攻撃・・・なんて考えただけでも恐ろしい。

 

 幸い、ベランダの下には何も無かったが・・・、なんだこの白いゴミ。こりゃ、しなびたアシナガバチの巣か?まさかの3つ目かよ。恐らくは2階の軒下に巣作りしたものの風に飛ばされて落っこちたままで、巣の主はひょっとしたらさっき駆除したヤツらかもしれない。それにしても、どんだけ我が家はハチに好かれてんだ・・・。